毎朝の食器洗いがいやだ。
けれど、朝洗っておかないと夕飯の支度に響く。
朝洗うということは、
水切りカゴにおける昨晩洗った食器の状態次第では、それらの片付けから始まる。
そしてそれはたいていの朝、大きく影響を及ぼしている。未洗いの鍋や炊飯釜があったりすることは日常茶飯事だからだ。余談だが、こいつだけは絶対に洗わないと夕飯のための炊飯予約ができない。
誰かやってくれないかなーと思いながら洗いだけはやる毎朝。本当は、拭きまでやりたい。結局、水切りカゴで干しているものはいつだって次のセッションに響くのだ。
洗いながら考えた。
毎朝三〇分だけ猫村さん雇えればいいのに。
いや三〇分じゃ誰もやってくれないからせめて一時間だ。
一時間だったら、昨晩のを片付けて、洗って拭いてまた片付けて、お米のセットをして、洗濯物をたたむくらいまではできるはずだ。
一時間だけなんだから千円くらいはあげなきゃ魅力がないだろう。
一日千円だったら平日はたしか月平均一九日だから、二十日ってことにしよう。
月によって一日千円ごときの収入が変動してはつまらないからな。
二万円固定だ。一月だって二月だって二万円だ。うるう年だって二万円だ。
六〇前後の暇なおばちゃまだったらちょっとしたお小遣いじゃないか。
あーあ、月二万円かー。
朝たった一時間手伝ってもらうだけでも二万円かー。
あーあ、自分でがんばろ。
パパは、猫村さんをお願いするのを、 諦めました。
あれ、9巻なんて出てたんだ。