銭湯

私は銭湯が好きだ。

厳密には、サウナがある銭湯が好きだ。

スーパー銭湯よりも、銭湯が好きだ。

一年以上行ってなかった銭湯に行ってきた。

地元ではないけれど、以前はしょっちゅう行っていた銭湯。

サウナが、銭湯が好きになったきっかけの、スタート地点。

訳あって、自分であることを認知してもらいたかったので、番台さんにこちらから「お久しぶりです」と声をかけた。

「あっ、お久しぶりです。ごにゃごにょごょですね」

よく聞き取れなかった。

三兄弟の真ん中の妹さん、かなり口数の少ない方なのでためらったが、「え？なんですか？」と聞き返すと

「お痩せになりましたね。髪のせいだけじゃないですよね？」

と声をかけてもらった。

「あー、痩せました。痩せました。髪を切ったせいだけじゃないですよ。」

前は、肩まであった髪が今は丸刈りだからそのことだ。

「サウナは混んでますよ…」と申し訳なさそうにしていた。

久しぶりに訪れてあの無口の妹さんとこれだけ会話したのは嬉しかった。

ある時、テレビで有名なお笑い芸人に紹介されてから混雑スポットになったこの銭湯。

久しぶりに訪れると客層がすっかり変わっていた。若者がたくさんいた。

サウナが満員過ぎて入らないしタオルもびっちゃびちゃなのはやだけど、活況なのはいいことだ。

かつての、常連さんが、一人いた。

懐かしかった。髪の毛が減っていた。

当時は一度もしゃべったことがなかったけど、友人を介して挨拶をしておしゃべりをした。「前はよく来てたよね？」と覚えてくれていた。

他にも２人ほど懐かしい顔を見かけた。

町も随分と開発されていて変わっていた

マンガ　サ道?マンガで読むサウナ道?（１） (モーニングコミックス)